障害監視と切り分け

弊社は規模の大きいシステムの場合は障害監視にはTWSNMP Maneger(注1)とMRTG(注2)によるネットワーク負荷長期記録を構築し運用します。

TWSNMP Manegerはネットワーク図が表示され障害が発生している箇所が赤く表示されますので障害箇所の特定が即座にできます。また各構成機器の疎通状態(Pingの結果)が記録されており、過去の経過を確認できます。
ネットワーク図説明

MRTGによるネットワーク負荷長期記録ではL2ハブ上の各ポートの通信料を記録でき、現在までの通信量の変化を確認し、ネットワーク障害の調査に役立ちます。
ネットワーク負荷図説明

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通信ケーブルのノイズへの配慮

マテハン機器やFA機器の自動運行を行う場合に情報系システムはマテハン機器と通信を行ってFrom-To指示や動作状態の確認を行います。この際、情報系の担当範囲はソフトウェアの処理だけと限定しがちですが、フィールドに設置されているこれらの機器の周辺ではノイズ源が沢山あり、これらが通信信号に混入してデーがが化けたり、通信機器が誤動作することがあります。このあたりは設備側と情報系システムとの取り合い事項で、仕様が曖昧にないがちですが、このあたりの配慮ができないと後々通信障害に悩ませられます。
良く使用される通信方法に関してポイントを説明します。
(1)シリアル通信(RS-232C) ・・・ 距離の確認が必要です。通信規格上、通信距離が15m以内でなければ信頼して使えません。接続するパソコンが同じ制御盤に設置されて、1~2m程度の長さのケーブルで明らかにノイズ源となるものがないときは市販ケーブル使用でもOKです。
RS232Cケーブル

しかし、盤の外にパソコンがある状態でしかも距離が長い(5m以上)ならケーブルは別注で用意した方が良いです。そのときにはシールド付のケーブルを使用し、シールドは両側のコネクタにおいて線で引き出して端子付き(ネジ止めできるように)します。そして機器に実装するときはシールドを制御盤側に片側接地(アース)します(推奨)。

RS232C製作図1

距離が15m以上に長い場合は、RS-422等の通信媒体を用います。この時にもケーブルは別注し、ツイストペア・シールドケーブルを使用し、各信号線の+-を同じツイスト(捩ってある)の線を割り当て、シールドは両側コネクタにて線で引出し、片側接地します。
また今ではパソコン本体にCOMポートが付いていませんが、その時はCOMのI/Oボード増設を推奨します。できなければUSB/RS232Cのコンバータを用いても良いですが信頼性についてメーカー、使用実績も元にご自身で判断してください。
(2)LAN(ツイストペア) ・・・ 盤から外に出るケーブルはシールド付の使用を推奨します。シールドは電気的に浮いた状態にならないよう処置します。盤内や事務所内はUTP使用で良いです。基本的な配慮として電源ケーブルと別配管かオープンラックであれば50~100mm以上離して配線します(電灯線の電源となる一緒に束ねても問題なかった経験がありますが、ご自身のリスクで判断してください)。

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マテハン機器の運行制御の技術的ポイント

 自動倉庫、コンベアおよび無人搬送車などのマテハン機器を用いてFAや物流の現場において保管・搬送の自動化システムを構築するとき、マテハン機器の動作のコントロールはシーケンサで行い、機器の運転管理(From・Toを出し、完了を監視すること)は上位の情報系システム(以下、管理機ど称す)が行います。以下に運転管理の具体的な方法について説明します。
マテハン機器はシーケンサのI/Oあるいはシーケンサネットワークで機器同士が接続され、各機器の統括的な動作コントロールをシーケンサが行うことで設備としての一体動作ができます。そして、シーケンサとワークの運転管理を行う管理機とがコミュニケーションして、自動化設備として完結します。
(注:管理機は設備とコミュニケーションを取る相手は複数になる場合もあります。)

マテハン機器接続方法

(1)通信のポイント
管理機は機器との通信が主体になります。通信では手順を実装する必要があり、シーケンサとの通信で例に挙げると以下のような手順を踏みます。
Melsec手順

この例では管理機がTEXT1でシーケンサのI/O読み込み位置を指定し、TEXT4でシーケンサからI/Oの状態を読み込み、その後、管理機が読み込み完了したかその応答をTEXT2で返しています。
(注:TEXT5は読み込み失敗したときにセットされるデータです。)
また、TEXT4で得られるデータは例えば、次のようなものです。
IOマップ

 データはシーケンサのメモリ情報(16ビット)でステータスが読み込み専用、コマンドが書き込み専用の領域になっています。これらのビットを用いて管理機とシーケンサとがハンドシェイクして情報伝達を行います。ハンドシェイクの例を以下に示します。
タイミング

 この例は自動倉庫に出庫のFrom-Toを指示する場合ですが、待機信号がONしている状態を確認して、管理機はコマンドとFrom-Toをセットします。自動倉庫が動き出しワークの出庫が終わるど動作中信号がOFFとなり、これを見て管理機のコマンドとFrom-ToをOFFにするという手順を踏んでいます。この信号の確認・操作を最善の手順を踏んで通信し、監視します。
 以上挙げた例は正常に動作した場合で正常シーケンスと呼びますが、これ以外に機器の動作異常が発生した場合の異常シーケンスがあります。これはワークの荷崩れや機器の一時的な異常(センサ検出異常)など、運用上あたりまえに発生するもので正常シーケンスよりも多くなります。この対応としては、機器のエラーを手動介入で解除し、自動運転復旧させます。この時に、エラーの状態により
・手動で作業完了した
・手動で開始前の状態に戻した
・作業を中止した
という状況が発生し、これに応じて管理機の対応処理が変わります。

上記のデータや処理は設備が違うとマテハン機器の構成(種類、数量、レイアウト、ロケーション)が違うため全体を管理するシーケンサのI/Oマッピングが異なり、これと通信する管理機は通信プログラムを都度作成しなければなりません。

また大原則として通信は機器との情報交換のベースであるのでここで通信エラー(送信遅れ、受信取りこぼし)は絶対にプログラミング上の不備で起こしてはなりません。

(2)処理のポイント
各マテハン機器はFrom-Toを与えると自動で動作しますので、各機器の動作は非同期です。また機器の稼働率を上げるためにアイドルなく動かす必要があります。このため、管理機ではFrom-To指示や機器との通信を各機器と同時並行処理しなければなりません。(注逐次的な処理によると危機感でのワークの移動時間やハンドシェイクの時間は数秒から数十秒はかかるので稼働率が下がります。)。

またワークが動いてゆく中で機器の排他制御をしながら動かさなければなりません。
例」無人搬送車に違うステーションをから同時に搬送要求があったときにステーションの確保やネックになる機器の確保でリソースの管理を行わないとデッドロックが起こります。

 同時並行処理・排他制御を行って稼働率を上げるためには機器のFrom-Toを効率的にスケジューリングすることが重要になります。スケジューリングルールを作りFrom-Ton優先順位付け、並べ替えや関連付けを行います。

以上のように管理機で運行制御するときのポイントは難しいものがあります。弊社ではこれらについて開発の生産効率と品質を向上させるため、次の工夫をしています。
(1)運転管理のアプリケーション内部でマテハン機器のI/Fを論理的に標準化(Open、Close、Read、Writeの各コマンド)して、プロトコル違いを吸収してアプリケーションでの各機器の処理の仕方の統一を行っています。このため、設備が違っても運転管理処理を同じロジック、プログラムで作成できます。
(2)通信部分は勿論、マテハン機器の運転管理を行う部分を含めて、ほぼ全体のプロセスをイベントにより状態遷移するように作成しています。各状態での動作範囲と所要時間を制限することにより、マテハン機器の同時並行動作を可能としています。これによりWindows以前のMS-DOS環境下でも同時並行処理を可能にしていました。

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